コラム

専門学校留学生の就職機会が広がる
「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」
初年度187校が認定へ

専門学校を卒業した留学生に対し、就職に際しての在留資格変更の要件を大学卒者と同様に柔軟に判断する「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」制度について、文部科学省は3月29日付で初年度(令和5年度)の認定校を決定・公示しました。

従来、日本の専門学校を卒業した留学生が就労のための在留資格「技術・人文知識・国際業務」を申請する際には、専門学校での専攻内容と就職先で従事しようとする業務との間に相当程度の関連性が求められてきました。

幅広い職種への就職が容認されている大学卒者に比べると、専門学校の留学生は就労可能な業種や業務が制限されていました。

今回の「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」は、留学生に対し質の高い教育を行っているものとして文部科学大臣が認定した専門学校の卒業留学生については、業務等との関連性が大卒者同等とみなし、柔軟に判断されるようになります。

認定されたのは全国に約2700校ある専門学校のうち、約7%にあたる187校専門学校の475課程です。
学校の所在地域別では東京都が54校で全体のほぼ3割近くを占め、大阪府22校、福岡県18校、北海道12校、愛知県と京都府の各8校などと続きます。

分野別では情報・IT・自動車等の「工業分野」、観光・簿記等の「商業実務分野」、美容・調理等の「衛生分野」、音楽・デザイン等の「文化・教養分野」、さらには介護福祉を含む「教育・社会福祉分野」から「医療分野」まで及びます。

令和5年度外国人留学生キャリア形成促進プログラム認定校一覧

専門学校の8分野についてはこちらをご参照ください。

同プログラムの認定を申請する専門学校の学科については、すでに「職業実践専門課程」として認定されている学科であることなど必要な要件があり、初年度の申請は昨夏に締め切られていました。
文部科学省が定める初年度の実施要項によれば「認定学科の公示は毎年度、原則として9月に行うものとする」とされており、2年目以降はこのルールが適用される見通しです。認定校に対しては、基準の充足状況を確認するため、3年に1度、フォローアップが行われます。

外国⼈留学⽣キャリア形成促進プログラム認定要件(⽂部科学⼤⾂認定制度)

※基準の充⾜を確認するために3年に⼀度のフォローアップを実施

  • 職業実践専⾨課程の認定を受けている課程であること。
    (企業等と連携し、質の⾼い専修学校専⾨課程を⽂部科学⼤⾂が認定する制度)
  • 経営基盤に関して、継続的かつ安定的な財務状況であること
    (修学⽀援新制度の機関要件と同⼀)。
  • 認定を受けようとする学科の実数のうち、留学⽣割合が2分の1の範囲内であり、かつ、⽇本⼈⽣徒との交流の機会が確保されており、⽇本社会に対する理解促進の環境が整備されていること。2分の1を超える場合にあっては、適正な進路指導(直前3年間の就職率の平均が90%以上であることを想定)が⾏われるとともに、⽇本国内において就職する際に必要となる⽇本社会の理解の促進に資する授業科⽬が300時間以上開設されていること。
  • 外国⼈留学⽣の受⼊れに関する不適切な事情その他⽬的に照らして不適切と認められる事情がないこと。
文部科学省資料より一部抜粋


なお、専門学校の所轄は各都道府県の認定ですが、「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の申請は文部科学省に対し行われました。
文部科学省では各都道府県のほか、在留管理制度を所管する出入国在留管理庁との協議を踏まえ、認定校を決定したそうです。

2024年度以降、専門学校を卒業する留学生の皆様の就職拡大につながることを期待します。

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