「専修学校」、「専門学校」、「高等専修学校」と呼ばれ、一見同じように見える3つの学校。それぞれの違いについて皆さんご存知でしょうか。
実は入学資格、学校教育の分類や目的、修業年数が異なります。

「専修学校」とは学校制度のこと

専修学校は、昭和51年に創設された学校制度です。

学校教育法の中で専修学校は、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ること」を目的とする学校であるとされ、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐にわたる分野でスペシャリストを育成しています。

専修学校は、授業時数・教員数や施設・設備などの一定の基準（専修学校設置基準等）を満たしている場合に、所轄庁である都道府県知事の認可を受けて設置されます。

また、専修学校では専門課程・高等課程・一般課程という３つの教育課程を設置しています。
専門課程を設置する専修学校を「専門学校」、高等課程を設置する専修学校は「高等専門学校」といいます。
「専門学校」と「高等専修学校」はそれぞれ教育の目的と入学資格が異なります。
なお、専修学校の一般課程は専門課程や高等課程とは違い、入学資格に学歴や年齢の制限がありません。そのため各学校が教育内容に応じ、自由に設定しています。

「専門学校」、「高等専修学校」、「高等専門学校」の違い

「専門学校」とは、専門課程を持つ専修学校

専門学校は全国に2,721校あり、約58万人が学んでいます（令和4年度）。

社会のニーズに即応した柔軟かつ実用的なカリキュラムによって、より高度な専門的技術・技能の習得を目指す教育機関であり、今や大学に次ぐ高等教育機関として重要な役割を担っています。

近年、資格の取得を目指して、大学や短期大学、高等専門学校を卒業してから専門学校に入学する学生が数多くいます。また大学への編入学、さらには大学院への入学も可能となっています。

専門学校のPoint！

• 専門課程を設置している専修学校は「専門学校」と名乗ることができる
• 専門学校は都道府県知事の認可を受けて設置される
• 入学資格は、高校等卒業（高等学校卒業程度認定試験合格者等を含む）以上の学歴が必要
• 修業年限は主に1～4年までさまざま。最も多いのは2年制
• より実践的な職業教育が学べる課程として「職業実践専門課程」がある
• 一定の条件を満たした2年制以上の課程を卒業した者に「専門士」
  4年制の課程を卒業した者には「高度専門士」の称号が与えられる
• 修業年数に応じて、短大や大学、大学院等へ編入も可能
  
  
  

「高等専修学校」とは、専修学校の高等課程を持つ学校

一方、高等専修学校は全国に396校あり、33,634人が学んでいます（令和4年度）。
高等専修学校は中学校卒業者を対象に実務面にウエイトをおいた教育を行っています。個性を尊重した教育の大切さが叫ばれるなかにあり、高等専修学校は多様化する生徒のニーズに応える後期中等教育機関として、非常に重要な役割を果たしています。

高等専修学校のPoint！

• 高等課程を設置している専修学校のことを「高等専修学校」という
• 「高専」と呼ばれる学校とは異なる学校形態
• 入学資格は、中学校卒業以上の学歴が必要
• 修業年数が1～3年制とさまざま。3年制が多い
• 生徒自身の将来設計を重視し、職業に関する専門的な内容を学習する
• 3年制課程を卒業した者には高校卒業と同等資格が与えられる
• 大学・短期大学に進学できるのは大学入学資格付与指定校卒業者のみ
  
  
  

「専修学校」には、専門課程、高等課程のほかに「一般課程」がある

専修学校の一般課程は専門課程や高等課程とは違い、入学資格に学歴や年齢の制限がありません。そのため各学校が教育内容に応じ、自由に設定しており、自由に専門的な知識、技術等が修得できる学校です。しかし、卒業しても専門課程のような専門士の資格や、高等課程のような大学入試資格は得られません。
資格を特に必要としない人が教養を高める目的、または、既に資格や技術等を有している人が補完や補強の目的、生涯学習の場としての利用に向いています。

専修学校の一般課程のPoint！

• 一般課程は、入学資格や年齢に関係なく、教育内容に応じて学校が独自に設定できる
• 教養や補強的な意味で専門的知識・技術等を修得するには最適な学校
  
  
  

名称が似ていてややこしいですが、「専修学校」、「専門学校」、「高等専修学校」の違いがなんとなくでもわかりましたか？
専門学校について、少しでも知っていただけたらうれしいです。
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